犯罪「屁理屈誘導」

 

「おまえには黙秘権もあるが、ここで正直に話すと刑が軽くなる」

「・・・」

「やはり黙秘か。素直に白状すると、情状酌量が望めるかもしれん」

「私は、やっていません」

「やっとしゃべったな。で、何だって」

「私は、人殺しなんかしていません」

「嘘をつけ!」

「本当にやっていないんです」

「周りのものは、おまえを正直者だと言っている。間違いないか」

「どんなに脅されようと、正直を通すのが私の本分です」

「じゃあ、おまえが犯人だ」

「え!?」

「嘘をつけと言った後に、やっていないと言った。おまえは、嘘をつけと言われて正直に嘘をついた。やっていないというのは嘘ということで、やったということだ。だから、おまえが犯人だ」