「えーっ、どこにしようかなあ」
「兄貴、何探しているんだい?」
「決まっているだろう。空き巣に入る家だよ」
「そうだった。俺たち泥棒だったんだ」
「よし、決めた。この家にしよう。まずは、この家に電話をしてみる」
「そんなことしたら、これから行きますって言っているようなものだ」
「もし家に誰かいたら、間違い電話を装って切ればいい。留守番電話になったら留守ってことだから、堂々と空き巣が出来る」
「頭がいいねえ」
ルルルル・・ッ、カチャッ。
「(ただいま留守にしています。発信音が鳴り終わりましたら、メッセージをお入れ下さい。ピーッ)」
「今から空き巣に行くので、よろしくお願いいたします、てか。はっはっはっ・・・」
カチャッ
「兄貴、そんなメッセージ入れてもいいのかい?」
「大丈夫、留守なんだから、被害にあって、メッセージを聞けば、追い討ちをかけてショックが大きくなる。愉快愉快。じゃあ、行って来るわ」
かくして、泥棒はその家に入ったが、中では家人と警察が待ち構えていて、あえなく御用となった。
「私がトイレに入っている間に、留守電にメッセージが。それですぐ警察に電話したの」
「私たちが来るまで、恐かったでしょう。被害がなくてよかったですね。では、奥さん、犯人は取調べのため署に連行します。また何かあったら、ご連絡いたします」
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